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2024.07.28倉石 友美

自己評価が高い部下は〇〇が足りない?

先日、あるマネージャーから
このような相談を受けました。

「人事評価制度で、
自己評価をさせると、
やたらと高くつけてくる部下がいるんです。

もっと謙虚になってほしいのですが、
どうやってそれを伝えたらいいでしょうか?」

 

人事評価制度では
「自己評価」を採点させる会社が多いですよね。
人によって、自分に甘くつける方、
辛くつける方、
様々だと思います。

冒頭のマネージャーの方は、
自分に対して低めの評価をつける人を
「謙虚で成長意欲がある人材」、

高めの評価をつける人を
「成長意欲がなく、レベルの低い人材」
とみなしていたのですが…

これって、何の問題なんでしょう?
本人の謙虚さの問題ですか?

そもそも、自己評価をつけさせる目的って何でしょう?
本人の謙虚さをテストするためですか?

さて、皆さん、どう思いますか?

人事評価制度で自己評価をつけてもらう目的は、
・自分自身で振り返りをすること
・自己評価と上司評価のギャップを確認すること
の2点だと思います。

1点目について。
人が成長するために「振り返り」は必須です。
経験学習モデルという有名な理論もありますが、
成長する人は、
必ず、振り返りをしています。

その機会の一つとして、
自己評価をつける、というのがあると思います。

2点目について。
こちらの目的がより重要です。

自分が「ここまでできている」と思うレベルと、
上司が「ここまでできている」と思うレベルのギャップ。

自分が「ここまでできればOK!」と思うレベルと、
上司が「ここまでやってほしい」と思うレベルのギャップ。

これらのギャップが必ずあります。

普段は、これを明確に認識できませんが、
自己評価と上司評価という形で
点数化すると、
このギャップが明確に見えてきます。

それによって、
上司の求めるものとのギャップを確認し、
どこまで成長するべきかを理解する機会になるのです。

 

よく私がお伝えしていることに、
「現状と理想のギャップがないところに
成長意欲はない」

という言葉があります。

現状=理想であれば、
成長する必要性、
変化する必要性は全くありません。

 

ところが、多くの社員は
理想が明確でないために、
現状とのギャップが小さく、
成長意欲がわきません。

上司が「ここまでやってほしい」というのを明確にリクエストすることで、
現状と理想のギャップが明確になり、
成長意欲につながるというわけです。

評価制度で自己評価が高い人は、
傲慢なのではなく、
「ここまでやってほしい」というリクエストが
理解できていない、伝わっていないのではないでしょうか。

だとすると、自己評価が高すぎる部下は
上司の問題。

どう見えているか(現状)、
どこまでやってほしいか(理想)を
明確に伝えて、
ギャップを認識させてあげればいいのです。

傲慢だとか
謙虚になれとか
言う必要は全くありません。

人事評価制度の目的を捉えれば、
分かっていただけるのではないでしょうか。