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2024.08.28倉石 友美

男性のワンオペ育児はえらい?

突然ですが、我が家の長男と長女は、ダンスを習っています。
小学生クラスが17時15分~、
幼児クラスが18時25分~と
遅めの時間帯であるため、
共働き家庭の子供が多く利用しているようです。

先日、ダンス教室の保護者飲み会があり、
母親たちが参加する中、1名だけ父親が参加していました。
この男性を鈴木さんとしましょう。

鈴木さんはいつもダンスの送り迎えも担っています。

鈴木さんに、他の保護者から質問が集中しました。
「いつも送り迎えなさってますよね?」
「はい、僕が時短勤務にしているので」

「え~!そうなんですか!ごはんとかも作ってらっしゃるんですか?」
「はい、夕飯はほぼ僕が作っていますね」

「えら~い!!!奥さんは何時頃に帰ってくるんですか?」
「大体20時くらいですかね」

「それまでワンオペしてるんですね!すごいですね!!」
「いやー、僕の方が稼ぎが少ないので…」

どう思います?

鈴木さんが女性であったとしたら、
こんなやりとりは起こりえないでしょうし、
「自分の方が稼ぎが少ない」なんて不名誉な告白を
しなくて済んだのではないでしょうか。

私自身、母親でありながら
バリバリ働きたい!とも思っているので、
「女性は家庭を守る」という「当たり前」を持った方とお話しすると
違和感を覚えることがあります。

しかし、この鈴木さんに対する
「えら~い!!!」
と思ってしまう感覚は
私には全くないのか?と聞かれると、
正直なところ、「はい、全くありません」とは言えません。

その奥にあるのは、
「家事育児は女性が主に担うものである」
という「当たり前」の感覚です。

この「当たり前」は人によって違います。

 

人は、自分にとっての「当たり前」が
相手にとっても「当たり前」であるかのように思い込み
相手にぶつけてしまいがちです。

相手は、自分と違う「当たり前」に違和感を感じながらも
波風を立てないために、
冒頭の鈴木さんのように、
笑ってやり過ごすことが多いでしょう。

なぜなら「当たり前」の違いを理解し合うのには
対話が必要だからです。

対話では、相手の思いとその背景を理解しようと思って聴きます。

お互いに相手の言うことを受容し、
自分との違いを確認し、
その違いをフィードバックすることで、
相互理解を深めていきます。

これには、とても時間がかかります。

「タイパ」が叫ばれる現代、
「コミュニケーションコスト」などと言われることがあります。

そう、コミュニケーションは、コストなのです。

だから、より効率よく、
短く要件だけを伝えるコミュニケーションが好まれています。

一方で、コミュニケーションのコストをかけないと
どうなるでしょうか?

短期的には影響は出ません。

しかし、長期的には、
お互いの「ズレ」を「ズレ」と認識しないまま
関係性の溝が深まっていきます。

特に上司部下の場合、
上司は上司の「当たり前」を
無自覚に部下に押し付けがちです。

部下は、その違和感を伝えたり
上司に思いを分かってもらったりするコストをかけるよりも
その場をやり過ごすことを選ぶでしょう。

そして、気づいたときには
上司と部下の溝は、修復不可能なほどに大きくなっている、、、
のかもしれません。

では、こうならないためにどうすればいいのか?
長くなってきたので、次回のブログに書きたいと思います。