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2024.04.20倉石 友美

困った部下に〇〇できない

先日、あるマネージャーから
こんなご相談を受けました。

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日常的にミスを繰り返す部下がいます。
何度注意しても治りません。

先日も、
決算のために必要な資料を
作ってもらったところ、簡単な箇所でミスをして、
結果の数字に重大な間違いがありました。

確かめの計算をすれば
すぐに分かるところだよ、と指摘すると、
私は計算が苦手なんです、と
ふてくされてしまいました。

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最近、若手に注意するのが難しい!と
多くの上司の方が悩んでいます。

こんな時に使えるのは…
フィードバックの技術です。

フィードバックは部下の行動変容を促すために
大変重要だと言われています。

中原 淳氏によると、
フィードバックは、
事実通知と立て直しからなります。

 

【事実通知】
よいことも、悪いこともふくめて、
・相手の行動がどのように見えるか
・相手の行動が他者にどのような影響を及ぼしているのか
を、相手に通知すること。

つまり、以下を伝えます。
行動:どんな時のどんな行動が
インパクト:どんな影響やどんな結果をもたらしたか

 

例えば、
A社のプロジェクトで君のスケジュール管理に不備があり(行動)
納期が1週間遅れてしまったね(インパクト)
という感じです。

 

ここでのポイントは、2点です。
1.具体的に部下の問題行動を指摘すること。
「最近、やる気がないんじゃないか?」
「もっと熱くなれよ!」
というのでは、曖昧過ぎて、行動を修正できません。

 

2.起きているを起きている通りに伝えること。
感情を排除し、
具体的に把握した問題行動を「鏡のように」伝えます。

 

今回の事例では、
〇〇の資料作成の時に、計算式が間違っていたね。(行動)。
〇〇さんが、後で修正するのにとても困っていたよ(インパクト)。
という感じでしょうか。

 

【立て直し】とは、
相手の行動の立て直しをうながし、
目標と現状のギャップを埋めるよう働きかけることです。

まず通知した事実に対して、
部下の思いや考えを話してもらい、

「それはなぜ起こったのか?」
と原因を自分で話してもらい、

「これからどうするか?」
を自分で決めてもらいます。

 

ここでのポイントは、
全て自分で話してもらうということです。

上司の主観で話したり、
叱責したりする必要はありません。

もし、部下自身で話してもらった「これからどうするか?」が
「気をつけます」といった曖昧なものである場合、
より具体的な行動や仕組みにするには
どうしたらいいか、
もう一段深掘りして考えてもらいます。

そして最後に、
今後も期待していること、
最大限のサポートをすることを伝えます。

 

人は、自分が選んだことしかやりません。
「相手に考えさせる」
「相手に思いつかせる」
「相手の考えを引き出す」
というのは常に私が大事にしていることです。

フィードバックについてより詳しく知りたい方は
こちらを読んでみてくださいね。
中原 淳「フィードバック入門 耳の痛いことを伝えて部下と職場を立て直す技術」
中原 淳「はじめてのリーダーのための実践!フィードバック」