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2024.12.03北村 翔
相手の立場に立つ
【日常での出来事からの気づき】
さて、車を運転している方は、左折するときに横断歩道の歩行者を待つということがありますよね。
そんな時にこんな光景に遭遇することはありませんか?
(車を運転していない方は誰かの車に同乗している、バスに乗っている時などを想像してください。)
・横断歩道をスマホを見ながら非常にのんびり歩いている人がいる。
という場面です。
もちろん青信号だし待ちますよね。
ですが若干イラっとしたりはしていませんでしょうか?
こんな場合はどうでしょう?
・同じくらいゆっくり歩いているがこちらに会釈しながら歩いている。
どちらにせよスピードが変わらないのだから抱く感情は変わらないという方もいるとは思いますが、スマホを見ながら歩いているよりははるかに優しい気持ちになれるのではないでしょうか?
もちろん歩行者優先ですから青信号であればイライラせずに待つのが正しいです。
とはいえそこでイラっとしたという事実は変わりません。
きれいごとは抜きにして、もし万が一急に交通事故が起きて目の前の人を一人だけ助けられるとしたらスマホを見てゆっくり歩く人とこちらに会釈しながら歩く人、どちらを助けますか?
何が言いたいかというと、自分に優先権があったり立場が上であっても、それを当たり前として好き勝手やるのと、周りの人にも気を配るのとでは、それが正しいとか認められた行動であるとかには関係なく、相手の反応は変わる可能性がありますよ、ということです。
仕事だから、相手が立場が上だから、というだけで同意しているように見せているだけで心の底では同意や共感をしていなかった、という経験はありませんでしょうか?
自走式組織を作っていく上で共感というのは非常に重要ですが、リーダーが権力を使って組織の方向性に共感させようとするのは不可能です。どれだけ正しい事を言っていても何かが引っかかる、イラつくと捉えられてしまったらそこから先に共感など生まれないでしょう。
相手がどう感じるか、どう感じているのかを確認しながらあらゆる手を使って伝えていくことが重要です。
周りを一切無視して自分の信念をただ突き通すのではなく、前には進みつつも相手の事を承認し、理解し合いながら進む努力は自走式組織を作る上で非常に重要であると私は思います。もちろん振り回されず自分の軸はしっかりと持っておくことが前提ですが。
【相手の立場に立って考えてみる】
さて、そう考えると先ほどの横断歩道の場面でイラっとした自分をそれは正しくないからという理由で封じ込めて、なかったことにしてしまっていいでしょうか?
怒りを爆発させろ、ということではありません。
こういう場面でイラっとしたんだな、という事実は事実として受け入れることが大事だと思います。
受け入れることと無かったことにして無視するのでは全然違います。
それを受け入れることで、こういう時にはこんな反応・感情を抱かれることがあるのだなと、視野を広げ、今後の改善に繋げることができるからです。
組織の方向性を合わせていく上で、正論で論破することで周りを従わせようという人がたまにいます。
ですが一時的にその人の前だけでは従っていても、心の中では従っていない、という状況ではいつまでたっても自走式組織にはなりません。だってそんな状況で自分から積極的に動こうとは思わないですよね?
組織を構成する皆が、リーダーへの恐れではなく、組織の存在目的自体に共感し、自分もそこで活躍したいと心から思ってくれないと自走は不可能です。
だからこそ様々な考え方の人がいるということを前提に、本質的な部分は曲げずに、伝える手段は色々駆使して、相手の立場に立って組織の存在目的や方向性を浸透させていく、ということを是非意識してみてください。
私が10年間やってきた心身統一合氣道には五原則があり、四番目の原則は「相手の立場に立つ」です。
相手の立場に立って考えることは武道においてもビジネスにおいても通じるとても重要なことなのです。
この五原則もビジネスにも通じる学びが沢山ありますので、これについてはまた別の機会で触れます。お楽しみに。
充実して働ける楽しい職場を日本に沢山作っていきましょう!
自走式組織®コンサルタント
北村 翔